ファッションにある新たな可能性?
数日前に、途上国にある縫製工場の労働者の奴隷化という記事を紹介したばかりだが、先週イギリス版Elleのオンラインサイトで公開された記事によれば、AIが労働者の仕事の環境をその技術で、解決するのではないかというものである。しかし、まだ実際にとはいかない幾らかの問題もあるようだ。
ここ最近非常に倫理的ファッションや、持続可能性が囁かれる中、その当の本人であるブランドたちは、その策を講じるどころか。劣悪な環境での仕事を(直接的ではないが、サプライヤーやその下請けも含め)強制している。加えて、Oxfamのリポートによれば、バングラデッシュで一生分働いて、得た賃金と同等額を、いくつかのブランドのトップたちは、たった4日で稼いでいるという衝撃的な事実も報告されている。こんな状況に拍車をかけるように我々の消費への欲求は、増す一方で、その売り上げは、その世界中の服の製造だけで、1.67兆ドルもの売り上げを2020年には記録するだろうと考えられている。
実際、サステナビリティーを体現できていると言えるブランドは、ごくわずかであるし、低価格で手に入れやすく、コレクションのようなトレンド的価値の服の誘惑を取り除くことは、現在は、難しい状況にあると言える。
しかし、2012年にバングラデッシュで起こった2つの大きな事件を思い出して欲しい。我々消費者の欲求が、企業をより利益主義にし、生んでしまったその事件は、工場火災により112人もの労働者が死亡するという事件。そして、その5ヶ月後にバングラデシュの都市ダッカで起きた1134人もの労働者が、工場崩落によって命を落とすという悲惨な事件である。また、この事件が起きた工場は、PrimarkやMango、そしてBenettonなどのファストファッションブランドの下請けとして関わっていた工場であったと言われている。
その当時は、この事件後に、その事件に関わった大手ブランドなど、さまざまなメジャーブランドがこぞって、バングラデッシュの労働者たちの労働環境での改善を目指すBangladeshAccordというものに調印した。しかし、それは、ただ形に過ぎなかった。今現在もその取り決めの実施は、加速しないのが現実である。その代わりに実際、バングラデシュにある工場をほかの国へ移転させているブランドが増えているという現状もある。
AIの製造業への活用
アディダスは、上記のようなテクノロジーを用いることによって、工場を途上国から撤退する方針へ舵を傾けた可能性がある。さまざまな国や地域で、AIを使った工場生産が進む中。2016年、当ブランドは、その地元ドイツに、人の手ではなく、テクノロジー(機械)を用いてより効率的で早くスニーカーを作る工場の開設を発表した。この開設には、テクノロジーを発展途上国で用いるのに必要な、使用法の教育を行うことや倫理的労働について遠く離れた国から監視を行うよりも、それを自国で行えば、より迅速に問題が起こってもを対処することを可能であるという思惑が伺える。また、以前同ブランドは、Pou Yuenというベトナムを拠点とする靴製造の工場で起こった約8万人の労働者からのストライキがあったという過去もあった。アディダスは、このような状況を自国生産にすれば、避けることが容易であるとも考えたのだろう。
また、これに加えて、生産だけでなくあらゆるファッションの分野でAIの代用案が出てきている。サンフランシスコを拠点とするグーグルのチームが、AIを使ったファッションデザインを提案したのだ。そして、ゼロから、そのデザインやスタイルの情報を元にいくつかのデザインを作り上げた。また、インドネシアのLingga Maduという起業家が、 AIを用いてトレンド予測を行うsalestockというサイトを作ったというのも取り上げられている。
AIの技術伝達の問題
話を戻すと、今、こうした動きが、見られる中、アメリカのダレルウェストというthe Future of Work:Robots, AI, and Automationという本の著者は、大量生産のプロダクトにロボットが用いられることは、先進国で起こるであろう。そして、また、彼はこうも続けている。「この変化は、その後発展途上国の年から始まり、すぐにではないものの約10年から20年後には、それらの技術は、全ての国で、人々の補助として活躍するだろう。」果たして、このようにマスなマーケットは、機械による生産を再び自国で再開させ、一度途上国から手を引き、時間を待ってまたそれを途上国に広がるのをただ待つだけで良いのか。撤退によって残る巨大ブランドのが出した汚染や、労働者の雇用喪失はどう解決できるのか。また、AIなどの技術が途上国での生産に影響を与える20年近くの間、時を待ってそこで、今と変わらない労働環境で働かせることに何も改善策は必要ないのか。彼が言うように、また、アディダスのように途上国への教育などに費やすのには、費用もそして時間もかかるだろう。しかし、機械などの使用が、労働者の危険や、有害な物質などのリスクなどからまもられることはいうまでもない。例えば、途上国なら、政府と協力して教育を小さい頃から行うこと、また、工場経営者などにその教育を促すなど、直接的に労働者と関わりがある人々の協力を得ることでAIとの共存そして、より働きやすい環境を川上でも実現できるのではないだろうか。
結果的に、もし、人間(労働者など)と機械がどう共に働くかという問題に、良い答えを出すことが、サステナブルで、倫理的なファッションの未来には求められている。
07.08.2018/by Yu Bun /Source: Is AI the Future of Sustainable Fashion.
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