私たちが普段着ている服は、様々な素材の糸によって作られており、その中でも大きく分けて2つの種類に分類できる。
一つは植物や動物といった自然由来の原料を使った「天然繊維」、もう一つは石油や天然繊維に化学物質による加工を施した「化学繊維」である。
天然繊維の主な種類としては、「綿(コットン)」、「毛(ウール)」、「麻(リネン)」、「絹(シルク)」などが馴染み深いだろう。
また、化学繊維では、「ポリエステル」、「レーヨン」、「ナイロン」などがある。
一般の視点から捉えると、天然繊維の方が化学繊維に比べて環境に良さそう、という印象を受けるだろう。
しかし、サステナブルな視点から捉えた場合、この糸(生地)の製造過程に着目すると、疑問の念が浮かんでくる。
コットンを例にすると、植物由来である綿は、栽培により採取される。
この時、綿には防虫剤や農薬が多く使用されており、「オーガニックコットン」でもその栽培には大量の水が使用されている。
また、ウールは主に羊の毛を意味するが、羊の養育では食料となる草にも何らかの科学的処置がなされていることもある。
一方で、一般的に「化学繊維は環境に対して悪」という概念を見つめ直す機会が必要だ。
石油由来であるポリエステルや樹脂由来のナイロンなどの素材は、一見環境に悪そうに見えるが、実際そのほとんどがリサイクル可能であり、多くの大手ブランドがその手法を取り入れつつある。
このように、たとえオーガニックコットンであっても、シーズンが着終わったら捨てるというだけでは全く環境的意味を成さない。
天然繊維だから良い、化学繊維だから悪いというわけではなく、どちらも長期的な使用方法、またはリサイクルの視点で見ていくことが大切となっているのだ。
14.08.2018 / by heed.hilo / source:nygreenfashion.com
0コメント